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コミュニティ「共生き」交流会レポート

2015年4月18日土曜日、アースデイ2015と同日開催で「共生き」交流会は始まった。

ゲストも参加者もアースデイ会場と交流会を行ったり来たり。エコに表参道を歩いてくる人、または走ってくる人もいた。

参加者は20代~60代まで幅広く、若い人にはこの幅広い年代層がいることが新鮮だったようだ。主催のEnowaネットワークの紹介から始まり、出版記念を兼ねた「地球にやさしい「いいね!」な暮らし方、共生きコミュニティ30」ebookの紹介があった。

本の誕生は3年前に遡る..

2012年3月11日東日本大震災の追悼集会の最中に本の着想は生まれた。日本中を、世界を震撼させた津波と原発の爆発。その時に多くの人が「このままじゃいけない」と気付いたはずなのに、1年も経つとそれらを忘れさせようと、それまでの暮らしに押し戻そうとする勢いが浸透するのをひしひしと危機感と共に感じた。

「何かがおかしい」と「違和感」を感じながらも、なすすべを知らず結局元の生活に戻って行ってしまう人々に「他の選択肢」があることを知ってもらおうと思い、この本のプロジェクトは始まった。

実際コミュニティに触れてみると、「違和感」を無視せずに一歩踏み出した人達が、思ったよりもたくさんいることに気付く。しかもその多様性は農的暮らし、都会でのシェアする暮らし、コミュニティがーデン、教育、福祉、エネルギー、ギフト経済、アート…等々多様だ。オルタナティブな生き方のモデルは多様なほどいい。選択肢が多いほど選ぶ側も健全でいられる。

様々なコミュニティに共通していたのは、自分の感じる「違和感」を無視せずに正直に進んで行った結果、「充実感」のある暮らしをしていることだ。それは「仕事なんて所詮生活費を稼ぐための手段でしかない」といった一種の割り切りや欺瞞からは生まれてこない「爽快感」や「軽やかさ」のようなものがある。表裏を使い分けるのではなく、表裏一体の正直さのようなものかもしれない。それは自分を偽らなくていい「ありのまま」の強さかもしれない。

コミュニティ代表で発表していただいたのは、トランジションタウン藤野(池辺潤一さん)、ウェル洋光台(戸谷浩隆さん)、アズワン・コミュニティ(小野雅司さん)。トランジションタウン藤野は里山で暮らしながら都会で働くことも可能な場所で、里山での循環する暮らしをコミュニティで作っている。日本で初の認定パーマカルチャー講座を開始して20年近くになるパーマカルチャー・センター・ジャパンもある。交流会には講師の設楽先生も参加いただき、素晴らしい弁舌と鋭い視点を披露してくれた。

ゆいま~る那須は「生涯現役」を目指す居住型コミュニティ。当日は発表者の体調がすぐれず、Enowaの林悦子さんが代行した。ウェル洋光台は横浜にあるシェアハウス。「持ち寄る暮らし」を掲げ、暮らしでのシェアやエコで豊かな取り組みを行っている。

そしてアズワンは鈴鹿にあるコミュニティ。ギフト経済や「話し合い」の技術など、「やさしい社会」を目指した実験を続けている。お弁当や不動産、修繕、農業、学習塾等ビジネスでも成功している地元で経済基盤を持つ力強いコミュニティだ。サイエンズ・スクールの自分をみつめ、聴き、本質を探究する取り組みはコミュニティを支える基盤となっている。(詳しくはビデオを見てください)

最近あちらこちらでひっぱりだこのソーヤ海くんはTED級のすばらしいプレゼンをしてくれた。コミュニティで大切なことと言って見せてくれたビデオ「何がポイントなんだろう?」と首をかしげながらみていると、ビデオは女性が自分の間違いに笑い転げているところで切れた。なんとポイントは「笑い」だったのだ!これには大いに笑った。

「笑い」のもたらす余裕、日々の生活の中に余裕があることでもたらされる、思いやり、受容、スペース..人が「ありのまま」でいていいと思える、くつろげる「コミュニティ」。「笑い」はコミュニティの土壌づくりに必要な大事な要素だ。

そして今回、ゲストからの提言でコミュニティに関する新たな方向性が出てきた。それは「コミュニティに名前は必要ない」「歩くコミュニティになろう!」だ。

もちろん様々なコミュニティがあっていいし、様々な成功や失敗例がある方が全体にとってもよい学びの機会を提供する。名前のあるコミュニティは「現場」を持っているだけに、コミュニティの維持に相当の労力、エネルギーをかける。一つのコミュニティにハマるのもいいが、横断的にコミュニティを渡り歩けると客観的にコミュニティを見れたり、シナジーやコラボが生まれやすい。限定するのではなく、積極的に枠を外し流動性を高めることに通ずるかもしれない。

地球のすべての生命と共存する調和したコミュニティを目指すには、根源的なコミュニティとして自分自身が「歩くコミュニティ」になること。この人とはコミュニティという枠のあるものではなく、自らがコミュニティとなり、人とつながることでコミュニティが増殖していくようなアメーバのようなコミュニティだ。それを可能にするのが「共感力」なのかもしれない。海くんの「歩くコミュニティ」にはとても説得力がある。(ビデオ37:17~40:52)

共生き交流会に挿絵制作者のかさいじゅんこさんも参加されました。

かさいさんに、挿絵を描くに至った経緯を訊いてみました。

挿絵を依頼された時はまだ本が出来上がっていなくて、「共生き」というテーマをもらい、瞑想していたらイメージが降りてきたそうです。大きな木をみんなで囲んでいるイメージ..

その後、東大で大きな楠に出会ってイメージは具体的に膨らんでいきました。

木の周りに人がいるのではなく、樹と手をつないでいるのがポイント。

木の上に居る人も含めて、全体が「輪」になっている絵。

インスピレーションに従い描いていくと

最初は人だけの予定が、動物がいたり、男の子と女の子が1組となり絵の右に向かって成長していったり…と、全然意識していなかったけれども、気付いたらストーリーができていてビックリ!

かさいさんはサラミッダやカントリーダイアリーが大好きで、にわとりや羊と一緒に暮らして自給自足をしたいという想いを持っていました。

かさいさんは子供の頃、真剣に「魔女になりたい!」と思っていたそうです。

ご両親やおばあちゃんは畑もやっていて、家庭菜園があるのが当たり前の生活。

小学校低学年でハーブに魅せられ、ハーブを摘んできてはお母さんに「はいお茶」と渡したり、カリタス成城ができたての頃、ハーブの苗や種を買いに行き、育てたハーブはポプリにしたりするのが好きでした。

中学の頃に読んだ「白魔術」の本に出会い、「魔女になるにはどうしたらいいんですか?」と手紙を書いたところ、丁寧な返信をいただき「魔女になるには英語力をつけて学んで下さい」と指摘され、英語が苦手だったため挫折…。 植物、動物、鉱物に係る仕事をしたいと思い、庭いじりが大好きだったので農大の造園学科に進み、造園現場の仕事をしました。

入社3年目で仕事と人生を満喫していた時にお母さんが大病を患い、大好きな造園の仕事を泣く泣く辞めて家業を継いだものの、28歳の頃心理学に目覚めてカウンセリングを学び始めました。プロセスワークに出会い、シャーマニズムを知りその世界に惹きこまれていきます。

海外にはたくさん行っていたものの、資本主義の権化のようなアメリカなんて..とそれまでは全然興味すら湧かなかったのが、ネイティブアメリカンの文化を知り俄然興味を持ち出し、今はオオカミの絵を描いたり、ネイティブ文化に傾倒しています。

プロセスワークに通う中で、クラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)に出会い、その中でもより繊細なタッチでクライアント自身の自然治癒力の働きを促すバイオダイナミクス(アプローチ)を行なっています。クラニオセイクラルを試してみたい方はこちらまでご連絡下さい。

かさいさんから一言:

表紙の樹を描くことで、絵を描く楽しさを思い出し、今回のインタビューで、「森の魔女」になりたかったことを思い出しました。

昔から何かをつくる(作る・造る)ことが大好きで、植物を育てるのも、裁縫したり絵を描いたりすることも、私にとっては同じ、何かをつくる幸せな時間です。今はこれに、瞑想やクラニオセイクラル・バイオダイナミクスも加わっています。

こんな絵が欲しい~という方がいらしたら、ぜひ声をかけてくださいね。


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